『SOKA CREATIVE LAB』第1回講義を開催しました!
令和元年9月15日、草加市の Coworking space Torino’s にて、地域の企業課題を、クリエイターとの共創で解決する未来を目指したクリエイターズコミュニティ『SOKA CREATIVE LAB』の第1回講義を開催しました。
第1回目となる今回の講義は、田中淳一氏(株式会社POPS)、池田泰幸氏(株式会社サン・アド)、坂口剛氏(株式会社野村総合研究所)をお招き致しました。
まずは初めにSOKA CREATIVE LABの概要の説明を主催側から行いました。 SOKA CREATIVE LABはクリエイターとの共創により地域の企業の課題を解決する、未来を目指した草加発のクリエイターズコミュニティです。
半年間かけて講師から得る学びと、そこで生まれるコミュニティで企業とクリエイターが共創することにより人・ビジネス・情報交流が生まれ、市内企業の新しい可能性が広がり、地域全体への発展へとつながります。
SOKA CREATIVE LAB、略して草加クリラボの説明の後には、これから半年間を共にする受講生の方々の自己紹介として抱負を語っていただきました。
WEBやイラスト中心にお仕事されている方、ブックライターを生業とされている方、農家のお手伝いをしながらデザイナーを行なっている方、まちづくりに関わっていらっしゃる方など、普段のお仕事でも既に実績を重ねられた個性豊かな方々が一同に草加に集結しました。
そして今回受講生と伴走いただく草加市内でご活躍されている企業の方々から今後より発展するために解決したい課題についてお話しいただきました。
参画いただく企業様は 株式会社いけだ屋・株式会社ウィズ・エスシーエス株式会社・鈴木園芸・森紙器株式会社の計5社となります。
今回のSOKA CREATIVE LABにも大変期待していただいており、講師・受講生・主催共々気合いを入れてこの半年間を駆け抜けていきたいと思っております。
そして受講生には講義の中で質の高いインプットをしていただき、実践として参画企業の課題解決のためのアウトプット=提案していただきと思います。
記念すべき第1回目の最初の講義は株式会社POPS クリエイティブディレクターの田中淳一氏に「着想」というテーマでお話しいただきました。
昨今、クリエイティブやデザイン、企画の採用の基準が、好きか嫌いかになってしまう現状があります。 クライアントはもちろん、外注先のスタッフ、そしてクリエイター自身もその現状に陥ることも珍しくはありません。 特に日本は、昔から物作りを優先してきたために、欧米に比べ物作りの裏側のストーリーをおろそかにしてしまいがちです。
しかし“ものを売る”のではなく、その“ものにまつわる物語を伝える”ことを意識することが重要です。
その上でコンセプトが定まっていると、どうしてこの企画がいいか、どうしてこの企画は提案すべきではないかが明確となり、企画の採用基準が、好き嫌い関係なく、クライアントを説得しやすくなるのです。
田中講師の長年の現場での経験をもとにお話しくださいました。
そして、もう一つのポイントとして教えてくださったことは[着想のコツ]について。
田中講師は普段から情報ソースをインプットすることを大切にされており、ルーティン化しているそうです。
毎日チェックするものを決め、自分の興味対象、好きなものを広げることを習慣化することで、着想がひとりよがりでなくなり、社会との接点の中で着想を得やすくなります。
インプットを習慣化することは、企画やコンセプトなどアウトプットの質、つまりは「着想」につながっていくのです。 大変学びの多い、あっという間の90分でした。
次に株式会社サン・アドのアートディレクター/デザイナー池田泰幸氏に講演していただきました。
池田講師には、自身の手掛けてきた作品を元に、どのようなコンセプト・シズル感(そのように見える)を設定していくかということを解説いただきました。
池田講師は、クライアントからの要求に対し、どのようなことをクリアできればOKラインに乗るのかを考えていらっしゃいます。 いわゆるKPIを探るのです。
そして、その上でご自身の中のアイデアを5つくらいにまとめます。
1つでは比較ができずジャッジがしにくく、多過ぎてしまうと嗜好が強くなってしまうということで毎回5つくらいに絞ってご提案されるとおっしゃっていました。
いかにコンセプトやクライアントの求めるラインを探り、近道を見つけるかに中量し、その後自由にセンスや個性などの肉付けをすることを重要視されているそうです。
一方で、自分自身が持つセンスや直感を信じ、一度カタチにしてみることも大事、ということもおっしゃられていました。
最後に、株式会社 野村総合研究所 プリンシパルの坂口剛氏には、SOKA CREATIVE LABの受講生同士チームを組み、それぞれ参画企業の課題を見つけるためのワークショップを行っていただきました。
ワークショップを始める前に、グループワークで自分がどんな立ち回りができるかタイプなのかを明確にできる、診断テストを行いました。
自分や相手のタイプを理解することで、コミュニケーションを円滑にするためです。
それぞれ「会話の主導権を握るコントローラー」「アイデアを拡散するプロモーター」「客観的でエビデンスを重視するアナライザー」「協調性が高く、場を和ませるサポーター」の4種類に分類されます。
受講生は自分のタイプを紙に書いて身につけてディスカッションに臨みました。
次に、企業課題を解決する上で不可欠な、切り口とアプローチの方法を解説していただきました。
切り口を2軸で捉え、シンプルに俯瞰で物事を把握するための重要なメソッドです。
まずは参画企業が今抱えている課題や今後の展望を話して頂き、受講生とともに、軸となる切り口の方向性を絞っていきます。
その後、戦略を定めるために様々な2軸の切り口を作ってディスカッションしました。
切り口を定めるのはなかなか難しく、苦戦しているグループもありましたが、坂口講師のアドバイスをもとに形にしていきました。
最後に、様々な切り口から、良い象限に位置づくアイデアを1つだすというステップで進めました。
短時間でアイデアを出すまで持っていくのは容易なことではありません。
しかし、各々の役割が理解しあっていること・切り口からアプローチを見つけていくフローを辿っていることから良いアイデアも生まれ、今後の受講生のチーム力に期待できる瞬間も垣間見えました。
コンセプトの着想の仕方、シズル感のOKラインの越え方、そして課題に対する切り口やアプローチを学んだりと、初回からかなりボリュームのある実践的なワークショップでした。
この半年間で質の高いインプットを行いながらも地域の課題解決に実践的に取り組んでいきます。
今後の展開も楽しみです。
[運営]株式会社 BarbaraPool(廣部・大森 03-6659-9858)
[主催]草加市 産業振興課(長堀・秋谷 048-922-3477)
[共催]草加商工会議所