SOKA CREATIVE LAB(草加クリエイティブラボ)

メニュー

『SOKA CREATIVE LAB』第3回講義を開催しました!

2019.12.1.

令和元年11月24日、草加市の紅藤カナダビルにて、地域の企業課題を、クリエイターとの共創で解決する未来を目指したクリエイターズコミュニティ『SOKA CREATIVE LAB.』の第3回講義を開催しました。

第3回目となる今回の講義は前回に引き続き、田中淳一氏(株式会社POPS)、坂口剛氏(株式会社野村総合研究所)、そして新たに佐藤哲也氏(ヘルベチカデザイン株式会社)をお招き致しました。

SOKA CREATIVE LAB.はクリエイターとの共創により地域の企業の課題を解決する、未来を目指した草加発のクリエイターズコミュニティです。

半年間かけて講師から得る学びと、そこで生まれるコミュニティで企業とクリエイターが共創することにより人・ビジネス・情報交流が生まれ、市内企業の新しい可能性が広がり、地域全体への発展へとつながります。

 

まずはじめに、株式会社POPSの田中講師にクリエイティブディレクターの仕事の流れを説明していただきました。

前回課された課題は『「草加市シティプロモーション」になるコンセプトシート』です。受講生が各々のコンセプトとそれに至った経緯について2分発表し、その後田中講師から感想を一言ずつ全受講生に向けていただきました。

草加市の細部の魅力や当たり前で気付きにくかったこと、デメリットとして思われていたことを違う側面から捉えることでブランド化しようとしたコンセプトなど、様々な視点でコンセプトシートを仕上げてきた受講生。

草加市で何かを始めると言うことをブランド化したコンセプトや、草加市がベットタウンであることから敢えて1日の始まりと終わりをゆっくり過ごしてみようといった、センスが光るコンセプトを準備してきた受講生もちらほら見受けられました。これからどうなっていくのかが楽しみです。

また、コンセプトシート一枚に、絵や図式が用いられていて一目で伝わりやすいシートに仕上げていた受講生もいました。続きも見たくなるな、と思わせるようなシートに仕上げることも大事であることを田中講師は仰っていました。

コンセプトワードのチョイスについても、田中講師なりの作り方があるようです。田中講師によると、コンセプトワードを選定する際に本当にその言葉でいいのか、言い回しや選ぶ言葉を考え、類語辞典をいつも使っているようです。スマホで調べるより、辞書や辞典の方がずっといいと仰っていて、とても参考になりました。

 

午後の講義では、ヘルベチカデザイン株式会社の佐藤講師による、地域でデザインすることと言うテーマで、佐藤講師自身が震災後の福島にてデザインで福島県を盛り上げた過程をお話ししていただきました。

福島県のある果樹園と接するところから全てが始まります。

果樹園の複雑に絡み合う課題を、デザインで解決するのはそう簡単ではない一方、佐藤さんは一つのアプローチで複数の課題を解決していくことに挑戦していたそうです。

佐藤講師は、パッケージやグラフィックのデザイン・新商品の企画などをされていて、今後そのグラフィックがどう展開されていくかと言うビジョンを持ちながらデザインされたました。
最終的には果樹園のトマトを使ったピザを提案、展開することを視野に入れて果樹園のデザインをしていたことがよくわかりました。佐藤講師によると、そういった点と点をつなげるデザインが楽しく、そこがデザイナーらしい仕事であると仰っていました。

また、いかに差別化して売り抜けられるかといった消費型デザインから脱却し、いかに抱えている問題を解決できるかといった課題解決デザインができるかが大事と仰っていました。そして、デザインの仕事はゴールを作らず、これからどうなっていくかをも考えて、続きを作るそうです。

グラフィックデザインは表面的と思われがちですが、実は横展開のことを考慮したり、デザイナーには大きな役割が担われているのかもしれません。

実際最初は「怪しいデザイナー」として遠目から見られていましたが、今では「先生」と呼ばれているなんてお話もされていました。

デザイナーの仕事は一言で言いにくいですが、佐藤講師のお話を聞いていると、デザイナーが果たす役割がだんだん分かってきて、とてもためになるお話しでした。

最後に、株式会社野村総合研究所の坂口講師に講義をしていただきました。
普段コンサルタントのお仕事をしている坂口講師は、右脳を働かせているクリエイターが、コンサルタントのように左脳をうまく働かせられたらとても強いと言う切り口から始まりました。この右脳と左脳の二つで果たせる役割を、織物を織るときに経糸の間に緯糸を通すときに使われる「杼(ひ)」という言葉で表現していました。杼には、何かをつなげる役割があります。考えと考え・モノとモノ・モノと人….このような何かを繋げられる人材が求められているのだと思います。

デザイナーが左脳を持っていたら、声がかかるのを待つのではなく、仕掛けるのを上手くなれる・クライアントと同じ目線になれると言う点でメリットがあるそうです。左脳を働かせることで他のデザイナーよりひとつ抜きん出ることができるのはこれからの仕事に活きるに違いないでしょう。

次に、事業計画に落とし込む際に3つの気をつけるべき事を伝授してくださいました。「1、なぜあなたがやるのか」「2、何が新しいのか・面白いのか」「3、それは儲かるのか」という事です。
特に、3の儲かるのかと言う視点がデザイナーに持ち合わせられていたら、デザイン提案の際に納得感が生まれ、採択されやすくなるのでしょう。

その後、事業計画書の基本構成やマネタイズの方法のパターンをいくつか紹介して頂きました。
デザイナーが不足になりがちな知識が得られたのではないかと思います。
一通り講義を終えた後は各チームの進捗報告と、坂口講師によるフィードバックをしていただきました。

クリエイティブラボが終わった後でも、受講生同士で集まって話し合っていました。
積極的に草加を盛り上げたいという姿勢が見受けられました。
次回の進捗報告が楽しみです。

[運営]株式会社 BarbaraPool(廣部・大森 03-6659-9858)
[主催]草加市 産業振興課(長堀・秋谷 048-922-3477)
[共催]草加商工会議所